【プラトン入門】プラトン 哲学者とは何か
プラトンの思想の解説ではなくまさにエッセンスを知れる
あとがきにも書かれているが、この本はプラトン哲学の解説という内容の本ではない。プラトンの前半生をたどり、彼がソクラテスと出会いどのようにしてプラトン哲学が生まれたのか、そして哲学とはなんなのかということが主に対話篇を例に挙げて書かれている。
プラトンは対話によって思索を深めた
プラトンはソクラテスの視点を通して、対話という形で彼の思索を深めた。
たとえば「カルミデス」という小篇では、クリティアスという寡頭政を唱えた人物をソクラテスと対話させることで、彼が「思慮深さ」について何も知らないということを暴いた。
そして、若きプラトンはこのクリティアスと政治的姿勢が共鳴していたという、つまりクリティアスの考えを分析することがそのままプラトン自身の分析へと繋がっていたのだと解釈できる。
確かに、対話という形で自分の思考を対象化し分析することは今日に生きる我々にとっても自分の思索を深める有効な手段であると思う。
この本を手に取った理由
理由は二つあって、一つ目はあるブログで紹介されていたから、もう一つはプラトンの入門書を読みたかったから。