【ニーチェ】ニーチェ入門

 

ニーチェ入門 (ちくま新書)

ニーチェ入門 (ちくま新書)

 

 

概要

神は死んだなどの名言で余りにも有名なニーチェ

ドイツ文化、キリスト教、ヨーロッパ哲学を徹底的に批判したその姿勢は、振り回されるような勢いがある。

そして、その主張は懐疑主義相対主義に留まらず、ニーチェ独特の思想を提示することで、我々に新たな生き方を促す。

本書では度々ニーチェの著作を訳した文を引用して説明が行われるが、

この引用された文にさえ力強さと、なにか深い、自分に訴えかけるものを感じた。

是非ニーチェの著作を読もうと思った。

 

印象に残った点は2つある。

1つ目は、ルサンチマン(弱者の心)によって平等主義が強められるという洞察。

ニーチェによると自身が不平等であるという不満、他人の幸せを妬む心、

こういったルサンチマンが平等思想を制度化させるという。

自分は平等主義の形成過程などに全く詳しくないけれど、

ニーチェのこの洞察は鋭く本質をついてるのではと深く納得してしまった。

2つ目は、いわゆる強いニヒリズムという生き方の提示。

ニーチェは言う この世に真理、本当の世界、神などありはしない。

では我々はどう生きればいいのか?そのような世界で生きる意味はあるのか?

ここで留まってしまうのが弱いニヒリズム

強いニヒリズムでは自分が、自分こそが生に意味を与えるのであると説く。

 

この本を読もうと思った理由

哲学マップ(ちくま新書)を読んでニーチェを読もうと強く思ったから。