【プラトン】ゴルギアス

 

ゴルギアス (岩波文庫)

ゴルギアス (岩波文庫)

 

 

あくまで、プラトンが書いたソクラテスということを重々承知した上で、

読んでいて感じたことは2つある。

 

1つ目はソクラテスってこんなにも自己主張して、自論を曲げない人なのかという印象。

しかし、解説によるとこのゴルギアスという作品はプラトン初期の「ソクラテス的対話篇」とは異なり、

プラトンの思想が出始めている作品なのだという。

つまり、時間の経過とともにプラトンの中のソクラテスは成長し「プラトンソクラテス」になり、

それがよく表れているのが本書ということである。

プラトンソクラテスを通して自分の思想を成長させ形作っていったのだというのがよくわかる。 

 

2つ目はソクラテスって意外にも皮肉屋というか煽り耐性低いのかなという印象。

例えば100pの「(略)・・・君のその態度は何かね?ポロス、君は笑っているのか?それがまたもうひとつの反駁の方法だというわけかね。(略)」

このセリフを読んだときはソクラテスめっちゃ怒ってる…とか思わずにはいられなかった。

でもそれが悪いことだというわけではなくて、なんだかソクラテスを身近に感じてしまった。 

 

名言が多い

カㇽリクレスの「いい年になってもまだ哲学をしていて、それから抜け出ようとしない者を見たりするときに、ソクラテスよ、そんな男はもう、ぶん殴ってやらなければいけないと僕は思うのだ。」

というセリフもなかなか強烈。

他にも登場人物たちは熾烈な議論を交わし様々な名言が出てくる。

プラトンが読みやすいと言われる理由が分かった気がする。

 

この本を読んだ理由

前に記事を書いた

【プラトン入門】プラトン 哲学者とは何か - 思考の足跡 

の読書案内で初めに読むならゴルギアスがいいと書かれていたから。