【プラトン入門】プラトン 哲学者とは何か

 

プラトン 哲学者とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)

プラトン 哲学者とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)

 

  

プラトンの思想の解説ではなくまさにエッセンスを知れる

あとがきにも書かれているが、この本はプラトン哲学の解説という内容の本ではない。プラトンの前半生をたどり、彼がソクラテスと出会いどのようにしてプラトン哲学が生まれたのか、そして哲学とはなんなのかということが主に対話篇を例に挙げて書かれている。

 

プラトンは対話によって思索を深めた

プラトンソクラテスの視点を通して、対話という形で彼の思索を深めた。

たとえば「カルミデス」という小篇では、クリティアスという寡頭政を唱えた人物をソクラテスと対話させることで、彼が「思慮深さ」について何も知らないということを暴いた。

そして、若きプラトンはこのクリティアスと政治的姿勢が共鳴していたという、つまりクリティアスの考えを分析することがそのままプラトン自身の分析へと繋がっていたのだと解釈できる。

確かに、対話という形で自分の思考を対象化し分析することは今日に生きる我々にとっても自分の思索を深める有効な手段であると思う。

 

この本を手に取った理由

理由は二つあって、一つ目はあるブログで紹介されていたから、もう一つはプラトンの入門書を読みたかったから。

【東南アジア】東南アジア紀行

本の感想を書いていきます。

タイトル 東南アジア紀行(上) 著者 梅棹忠夫 中公文庫

 

少し古い本だけれども、学術調査とはこういうものなのかと分かって知的好奇心が満たされた。国から豊富な資金が得られて、物価の安い国だったら悠々自適な生活を送りつつ調査ができるものだと思っていたから、こんなにも金銭面で苦労するんだと少し驚きだった。

学術調査と聞くと少しお堅い感じがするが、生き生きとした筆致で語られる異国の風景や、異国の人々との交流の様子は旅行記の趣も感じられる。そういう点でも面白かった。

 

この本を手に取った理由

1つ前の記事の本も同じ理由なんですが、ぶっちゃけ大学のレポート課題のためです。でも、レポート課題がなかったらこれからもずっと東南アジアに興味を持たずにいたと思うのでいい読書経験になったと思います。

 

東南アジア紀行 (上巻) (中公文庫)

東南アジア紀行 (上巻) (中公文庫)

 

 

【東南アジア】入門 東南アジア近現代史

タイトル 入門 東南アジア近現代史 著者 岩崎育夫 講談社現代新書

 

東南アジアについて植民地化される前から、現代に至るまで大まかな流れがつかめる本。

現代の部分は内容がかなり経済に偏っているように感じたが、東南アジアの概観を掴むことができた。

高校の頃にも断片的には東南アジアについて学んでいたが、今になってこの本を読み、東南アジア諸国がいかに日本を含む先進国に翻弄されてきたのか

という歴史的事実を再確認してこれを深刻に受け止めなければならないと感じた。

ヨーロッパ諸国、アメリカ、日本そういった先進国が富を求め東南アジアをめぐって争ったのはまさに資本主義の暴走といえる。

そして私はそういうことをした日本という国に生まれ、大して不自由のない生活を送っているのだということを今一度理解しておかなければならないと感じた。

話は変わるが、東南アジアが日本にとって経済的に重要であることを、東アジアと南アジアと比較することで述べているところが面白かった。

東アジアでは今でも、日本の植民地支配や侵略に対する厳しい批判がある。(東南アジアも日本に侵略されたが、東アジア程日本に対して批判的ではない)

南アジアは地理的に遠いだけでなく、宗教社会的な違いが大きい。

これらのことを考えると、東南アジア諸国が日本にとってかなり条件のいい貿易相手国のように思える。これからも良い関係を築いていってもらいたい。

 

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)

 

 

【ヘーゲル入門】新しいヘーゲル

 

読んだ本の感想を書いていきます。

タイトル 新しいヘーゲル 著者 長谷川 宏 講談社現代新書 

 

ドイツ観念論を代表する哲学者ヘーゲル。彼の思想は後のマルクスキルケゴールらに大きな影響を与えた。

この新書一冊を読んだだけで、ヘーゲルに対してどうこう言うのはどうかとは思うけれども、率直に言うとヘーゲルの考え方は自分には合わなかった。

理由は2つほどある。1つ目は、理性への盲目的といってもいい程の信頼、世界の隅々まで理性の光が及ぶとする理性的世界観。これはもはや神を盲目的に信じるのと変わらず、理性という絶対神を信仰しているようにしか見えない。

2つ目は、歴史を単線的に捉える見方。ヘーゲルは古代のギリシャ社会が発展してゆき、たどり着いたものが近代社会であるとする。しかし、私は現代社会でも昔のギリシャ社会でも、優れた部分と劣っている部分は存在していると思うし、どちらが優れているなどと一概には言えないと思っている。それゆえ、ヘーゲルの今の社会が確実に昔の社会より発展しており、優れたものだとする単線的な見方、考え方には賛同できないし、到底そうは思えない。

 

なぜこの本を手に取ったのか

この本を手に取った直接の理由は、ヘーゲルに興味を持ったから。

なぜヘーゲルに興味を持ったかというと、私がフッサール現象学に影響を受けているから、フッサールの弟子であるヘーゲルが気になったため。

あとは、他の哲学系の本を読んでいると頻繁にヘーゲルが言及されるから。

 

新しいヘーゲル (講談社現代新書)

新しいヘーゲル (講談社現代新書)

 

 

 

このブログの目的とか

初めまして。


このブログでは主に、本の感想を投稿しようと思っています。


それと、ただ感想を投稿するだけでは味気ないので、なぜその本を選んだのかという思考の足跡が見えるようにしたいとも思っています。